4. 日本の調味料作りに欠かせない麹

 日本は高温多湿の国なのでカビがよく生えます。カビには身体に悪いカビと良いカビがあり、麹は身体にとても良いカビです。蒸した米に麹を繁殖させたものを米麹、蒸した麦なら麦麹、煮た大豆なら豆麹と言います。自然界に存在し、無農薬で育てた稲穂なら、秋の収穫期に深緑色の大豆くらいの大きさの球がつきます。それが「稲麹」と呼ばれるもので(A)、昔はそこから菌を培養していたそう。出来たお米で麹を作って、冬の間に味噌などの麹調味料を作ります。冬ならば雑菌も少ないし、寒いとゆっくり発酵するので、おいしい調味料が作れるのです。無駄がないですね。米と麹はとっても仲良しで、日本人にはなくてはならない大切なものなのです。
 中国や東南アジアでもカビを繁殖させて麹を作る食文化はあるけれど、主に生の穀物に繁殖させるのだそう。穀物を蒸したり煮たりしたものに繁殖させるのは日本の麹だけなのです。なんで蒸した米がいいんでしょうか? 生のお米や柔らかく煮たお米じゃダメなんでしょうか?
 麹は米の中のデンプンを求めてトンネルのように菌糸をのばしていきます。水分が少ないとより深くもぐろうと思い、がんばって菌糸をのばしていきます。だけど水分が多いと「そんなにがんばらなくてもいいかー」と思ってあまり菌糸をのばしません。だからと言って生の堅いお米だと「こんなに固いなんて、がんばっても無理だー」と思って、これもまた菌糸をのばしません。ですから適度な硬さと水分がある蒸米は、麹が一番がんばれる環境なのです。うーん、麹って人間みたい! 麹も人も「自分の力を発揮できる環境」が大切なんですね。
 麹は米の中に菌糸をのばしていく時に、酵素というものを出して米の中のデンプンを溶かして糖に変えて行きます(B)。そうして米の中にも外にもびっしりと自分の菌糸を張りめぐらせ、米のデンプンを糖に変えたら、米麹の完成(C)!
 作りたての米麹をよーく見ると、まわりにはふわふわした小さな綿毛のようなものが生えています。これが花の様に見える事から、麹という字は米に花と書いて、糀という字を使うこともあります。日本人もなかなかロマンチックでしょう。




味噌クリームパスタ

【材料/2人分】
パスタ…200g
ベーコン…100g
味噌…25g
生クリーム…100ml(100g)
オリーブオイル…適量
黒こしょう…少々

【作り方】
1.パスタは表示通りに茹で、
ベーコンは食べやすい大きさに切る。

2.味噌に生クリームを少しずつ入れて混ぜておく。

3.フライパンを中火にかけ、
ベーコン、パスタを順に入れて炒め、
最後に2を入れて絡める。