2.醤油や味噌だけではない、日本の調味料

 世界で有名な日本の調味料といえば醤油。海外の人は「日本料理はすべて醤油の味がする」と思うそうですね。もちろん醤油を使わない料理もありますが、肉、魚、野菜、豆腐、卵…すべての食材に対して醤油を使う料理はたくさんあります。
 醤油の次に有名なのは味噌。食事の時に味噌汁がないと物足りない気持ちになります。海外の人にとっては毎日同じ味のスープを飲むということが不思議でしょう。日本人にとってごはんと味噌汁は別々でもおいしいし、一緒になるともっとおいしいという、切っても切れない関係のものなんです。
 醤油の原料は大豆+麦+塩+麹、味噌は大豆+米+塩+麹と原料が似てますから、海外の人にとっては醤油も味噌も同じような味に感じるのかもしれません。
 醤油や味噌以外の調味料も原料が似ています。日本の酢は主に米と麹から作られています。日本酒も同じ米と麹から作られているので、酢と日本酒は兄弟のようなもの。他にも“みりん”という調味料もあります。日本酒をすごく甘くしたような味のお酒で、料理に甘みを加えたり煮物を艶やかに仕上げるのに使います。みりんの原料は米ともち米と焼酎(米などと麹で作る蒸留酒)と麹です。最近では塩麹という、塩と麹で作った調味料も人気です。
 日本の調味料は現代風の洋食にも合います。例えば醤油はたくさん入れすぎると辛くて、素材の味がわからなくなるけど、塩代わりにパスタやピラフに少しだけいれると、味に深みやコクが出ますし、サラダのドレッシングにもなります。味噌と生クリームを混ぜたソースを、焼いた肉や魚にからめてもおいしい。色んな素材と合わせられる万能調味料なのです。
 さて皆様、今まで書いてきた調味料にすべて“麹”が使われている事にお気づきでしょうか? 「日本料理はすべて醤油の味がする」と言われるのは、日本の調味料のほとんどが麹という微生物を使った発酵食品だからなのかもしれません。麹の謎はますます深まります。



茹で卵の味噌漬け

【材料/4個分】
卵…4個(270g)
味噌…30〜40g

【作り方】
1.鍋に卵と水をいれて火にかけ、
沸騰してから7〜8分茹でて水をきり、
冷水で冷やして殻を剥く。

2.味噌をゆで卵の表面にまぶし、
ビニール袋などにいれて空気を抜いて口をしばり、
冷蔵庫で1〜3日置く。