冬になる前に野菜を干し、塩や麹や唐辛子と混ぜて容器に入れ、重い石をのせて野菜を漬けると漬物ができあがります。塩や唐辛子が雑菌の繁殖を防ぎ、麹が味に甘みや深みを加え、乳酸菌(空気中にいる)が風味や酸味を加えて腐敗を防ぎ、冬中おいしい漬物が食べられます。これは野菜が採れない冬に野菜を食べるための、日本の昔からの食文化です。
今では年中スーパーに色々な季節の野菜が並んでいるので、漬物なんて食べなくても野菜は食べられるし、漬物はしょっぱくて好きじゃない、という人も多いでしょうね。実は私もあまり興味がありませんでした。
でも塩麹を使うと、もっと手軽にサラダの様なお漬物が食べられます。余った野菜をビニール袋に入れ、野菜の重さの10%くらいの量の塩麹を入れて揉み込み、空気を抜いて口を閉じて冷蔵庫に入れます。30分もすると野菜から水分が出てきてしっとりとした漬物になります。長く保存する場合は塩をたくさん入れないと腐敗しますが、この漬物はサラダの様に食べたいのであまりしょっぱくしません。食べる時は水気を切ってオリーブオイルやごま油をかけると、コクが出ておいしく食べられますし、好みでお酢やワインビネガーをかけてもおいしい。本当にサラダの様な漬物になります。
この漬物を4〜5日(※)冷蔵庫に入れておくと、酸味が強くなってきます。これは乳酸菌が腐敗を防いでくれているのですが、酸っぱすぎると食べたくないですよね。そんな時はスープに入れたり、肉と一緒に炒めたり、パスタの具にします。火を入れると酸味が抑えられるし、漬物の複雑な味がだしの代わりになって、おいしくいただけます。キャベツ、白菜、きゅうり、人参、ピーマン、トマトなど、生でも食べられる野菜はなんでも漬けてみてください。日持ちもするので便利ですよ。
塩麹の漬物は火を通さないので麹の酵素がそのまま体内に取り入れられます。それに塩に強い乳酸菌はとても丈夫なので、生きたまま腸に届いて腸内環境を整えてくれます。おまけにおいしいのですから、いいことだらけですね。
(※環境や季節によって日数は変わってきます。匂いを嗅いで、腐敗した匂いがしたら破棄してください。) |