10.醤油の歴史

 醤油という漢字の“醤”という文字は“ひしお”とも読む事ができ、食物を塩漬けした液体(ソース)の事を指します。弥生時代には肉を塩漬けにしたソース、魚を塩漬けにしたソース、草(野菜)を塩漬にしたソース、穀物を塩漬けにしたソースなどがありました。この中の穀物を塩漬けにしたソース“穀醤(こくびしお)”が中国から伝わって醤油の原型になった…という説と、味噌を作った時に、樽の上の方に溜まった液体が醤油の原型になった…という2つの説があるようです。醤油の原料は大豆・小麦・塩・麹、味噌の原料は大豆・米(大麦を使う地域もある)・塩・麹。どちらも穀物からできているし、材料も似ているので、両方正解のような気がします。
 一般に売られている醤油は“濃口(こいくち)醤油”と言います。蒸した大豆(※)と炒った小麦を砕いたものを混ぜ、麹菌を繁殖させて大豆と小麦の醤油麹を作ります。そこに食塩水を加えて発酵・熟成させたものをろ過して絞り、熱を加えて発酵を止めたものです。麹の酵素が大豆のタンパク質をうまみのアミノ酸に変え、小麦のデンプンを糖に変え、大豆の油分をグリセリンと脂肪酸に変えて、醤油のおいしさが生まれます。
 醤油は発酵・熟成するのに半年〜1年くらいかかります。長いですねー。ですので新しく醤油屋さんを始めるのはなかなか難しいので、ほとんどは昔から続いている醤油屋さんばかりです。長くかかりますが、じっくり時間をかけて作る方が味も香りも深くなって、よりおいしくなるようです。そして糖とアミノ酸の反応によってあの深い、濃い色に変化していきます。
 江戸時代になると、海に囲まれた国・日本では生の魚を食べるようになりました。醤油は生魚の臭みを消すという理由から、日本でとても愛される様になり、醤油味を基本にした寿司、そば、天ぷら、うなぎの蒲焼き(うなぎを開いて骨を取り、甘辛い醤油味で焼いたもの)などの日本食文化を形作っていきました。現代ではそこに焼き鳥なども加わりますから、日本料理が全部醤油の味がする、と海外の人に言われるのはしょうがないですね。だけど醤油のおいしさを海外の人にも知ってもらえると、私たちはとっても嬉しいのです!

(※脱脂大豆という、油をしぼった大豆を使う場合もあります)

 




焼きトウモロコシ

【材料/1人分】
トウモロコシ…1本(270g)
A.醤油…小さじ2(12g)
砂糖…小さじ1(3g)
油…適量

【作り方】
1.トウモロコシは皮をむいてさっと水にくぐらせたあと
ラップでくるみ、600wの電子レンジで3〜5分加熱し、
熱いのでそのまま数分おいておく。

2.やけどに注意しながらラップをはずし、
食べやすい大きさに4〜5等分する。
Aをよく混ぜておく。

3.フライパンを中火で熱して油をひき、
トウモロコシを焼いて、焼き色がついてきたら
Aを刷毛で塗りながらさらに焼いてできあがり。

※醤油がちょっと焦げた味をお楽しみください。